「俺は欲しい物はどんな手段を使ってでも手に入れる!欲しい物を諦めるなんて絶対に嫌だ!とことんやってや
る!」と始終のたまうダニや屑のような男それが羅島だ。
その顔も自分では世界一の色男だと日々ほざいているが、どう見ても原型はただのネアンデルタール原人そのもので無骨で粗野なイメージが色濃かった。
しかし、その醜く無様な外見と裏腹に羅島の日常は実に女の出入りが激しいのである。女性の心を惹きつけ
虜にするオーラなど到底持ち合わせていないのだが、何故か、昔から人間関係が女性をえさにして儲けてき
ている大物の仲間が多いためそのせいか器量のない羅島にも知り合いの好みでその手の儲け話が大量に舞い込んで来るのだった。
どう見ても粗雑で無骨なフェイスなのだが、本人はあくまで自分は女顔だと信じ込んでいる節が強く、自分の
代用品―自分のショーやコンサートチケットやタレント商品が高く売れた場合の―は女性にしようと頑なに心
に決めているのも空恐ろしい限りだ。最終的にその行動を素でまともに受け止めることができる人間の数がど
れだけいるかが重要な問題だろう。
ハッキリ言っていないのだ。皆無なのだ。だが、それでも無理やり周りにその考えをごり押しして認めさせてしまうような異常なエゴイズムとサディズムに裏打ちされた猟奇趣味を感じてしまう。人が不本意で嫌がることをしつこく推し進める男、それが羅島だからだ。
羅島の依頼した嫌がらせ屋―別れさせ屋を含む―やレイプ屋―断られた復讐だろう―や復縁屋―自分の都合でくっつけたり離したりした後、客からやたら苦情が多く、どうしても元交際者に熨斗をつけて着き返したいと思う時、依頼しているのだろう。は年中大勢が使用する出会い系に潜伏して獲物を蜘蛛の巣を張って待ち構えている。